神田直と私

神田直/大東市議会議員選挙2024立候補者

令和3年度定例会6月議会一般質問

自由民主党の「かんだすなお」でございます。

本6月議会においては、大綱3点について質問を致します。

区長・教育長におかれましては、明確なご答弁をお願い申し上げます。

 

それでは、通告通り質問に入ります。

まず、第1番目の質問は、精神障害者の鉄道運賃補助についてです。

障害者基本法第二条で規定されている通り、障害者とは身体障害・知的障害・発達障害を含む精神障害その他の心身の機能の障害をお持ちの方です。

2021年(令和3年)版厚生労働白書によると、全国で身体障害者が約436万人、知的障害者が約109万人、精神障害者が約419万人いらっしゃいます。

2016年(平成28年)4月に障害者差別解消法が施行されました。

障害者に対しては勿論のこと、障害者の中でも差別があってはならないことです。

墨田区議会自由民主党は、区独自の障害者への給付金を精神障害者にも拡大して支給することを求め、精神障害者1級の方への支給を認めていただきました。

さて、国土交通省によると、全国の鉄道事業者175社のうち、精神障害者向け運賃割引を実施しているのは半数余りの97社に留まっているということです。

特に、首都圏では、ほとんど実施されていないのが現状です。

墨田区においては、都営地下鉄だけになります。

一方、身体障害者知的障害者については、ほぼ全ての鉄道事業者が運賃割引を実施しています。

そうなった原因の一つとして、運賃割引に必要な障害者手帳交付開始時期が、身体障害者が1950年(昭和25年)、知的障害者が1973年(昭和48年)であるのに対し、精神障害者は1995年(平成7年)と遅かったことが影響していると考えられます。

また、精神障害者には収入が少ない方も多く、交通費の負担感はかなり大きいのではないでしょうか。

生活費を切り詰めるため、外出を我慢している方も多いのではないかと危惧しています。

家に引きこもったような生活が精神衛生上いい訳がありません。

精神障害者が安心して外出出来るようにすることが、行政の務めだと思います。

更に、障害の種別によって取扱いの差異が生じないよう、法の下の平等を実現すべく、何らかの手立てが求められると考えます。

 

そこで、質問致します。

1.2019年(令和元年)、全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)は、衆・参両議院に「精神障害者の交通運賃に関する請願」を提出し、国の公共交通機関の運賃割引への身体障害者知的障害者と同等の扱いの働き掛けを求めていましたが、両議院ともに国土交通委員会において全会一致で採択されました。

墨田区は、区内循環バスに乗車する障害者本人と同乗する介助者1名の運賃を無料とする負担軽減措置を講じています。

鉄道運賃についても、国の動きを待つのではなく、身近で精神障害者福祉を担う基礎自治体として、他の障害者と同等の運賃割引を精神障害者にも求める要望書を墨田区として区内各鉄道事業者に提出したらいかがでしょうか。

区長のご所見を伺います。

 

2.鉄道事業者が即時に精神障害者に対する運賃割引制度を導入することはなかなか困難であると考えます。

そこで、それが実現するまで、現行の墨田区民生費予算の心身障害者福祉費の中で、精神障害者の鉄道運賃を何らかの形で補助する施策が打てないものでしょうか。

区長のご所見を伺います。

 

次に、第2番目の質問は、区立小・中学校図書室における新聞活用についてです。

新学習指導要領では、新聞を教材として活用することが位置付けられています。

また、一般社団法人日本新聞協会は、NIE(教育に新聞を)を旗印に新聞普及の活動に取り組んでいます。

それらを受けて、2022年(令和4年)1月、文部科学省は、学校図書館整備に関する2022年(令和4年)度からの5カ年計画を策定し、公立小・中学校全てにおいて図書室に複数の新聞を配備するよう都道府県教育委員会に通知しました。

目安の部数を以前の計画より1紙ずつ増やし、小学校は2紙、中学校は3紙の設置とされています。

国は配備費用として5年間合計で190億円の地方財政措置を講じますが、前5カ年計画と比較して40億円の予算増となり、いかに力を入れているかが分かります。

さて、まず私自身の新聞に関する体験談をお話します。

子供の頃の私の自宅では複数の新聞を購読しており、新聞をよく読む環境にありました。

高校の地理Bの授業で、中南米諸国について学習した時の話です。

小アンティル諸島に属する国々に関する説明があった際、板書の中にドミニカ国が抜けていました。

私が指摘したところ、先生はドミニカ国の存在をご存知ありませんでした。

私は、同国が英国から新たに独立したことを少し前の新聞記事で読んで、知っておりました。

新聞記事により、最新の国際情勢を知ることが出来、かつ、学習の役に立った一例です。

因みに、ドミニカ国ドミニカ共和国とは全く別の国です。

毎日習慣付けて新聞を読むことは読解力の向上に繋がるだけではなく、様々な知識を得ることが出来ます。

現在、インターネットでも新聞を読むことが出来ますが、紙の新聞のいいところは、自分のあまり興味のない記事にも自然に接することであり、そこから新たな視野が開け、今まで縁のなかった分野にも興味を持ち知識を得ることが出来るということです。

また、テレビと違い、一方的に受動的に情報を得るだけではなく、情報をそのまま鵜吞みにせず自分の頭で考える習慣を持つことにも繋がる効果があります。

 

そこで、質問致します。

1.区立小・中学校の図書室における新聞設置状況についてお聞きします。

2021年(令和3年)度と2022年(令和4年)度の各年度において、小学生新聞・中高生新聞・一般紙(全国紙・地方紙)等新聞種類別の設置状況を小学校と中学校で分けて教えて下さい。

 

2.一般紙は、各新聞社の編集方針によって、論調が大きく異なります。

同じ事象に関し、180度違う論調で報道されることもあります。

複数の一般紙を学校図書室に設置する場合、その均衡を取ることが学校教育上重要だと考えます。

新聞選定の権限は各学校長にあるかと思いますが、教育委員会としての基本的な考え方を教えて下さい。

 

3.2022年(令和4年)度からの「墨田区教育施策大綱」において、読解力の向上の重要性が謳われています。

読解力は、全ての教科の基礎となるものです。

児童・生徒の読解力を向上させるためには、授業での新聞の活用が一つの有力な手段になると考えます。

日本新聞協会の公式サイトには、様々な方法で新聞を授業に活用されている例が紹介されています。

教育委員会として、読解力向上のために今後の小・中学校の授業で新聞をどのように活用する方針か教えて下さい。

 

最後に、第3番目の質問は、区民の皆さんが利用する区施設におけるトイレの諸問題のうち、2つの問題についてです。

さて、現在、本庁舎の一部のトイレにあるハンドドライヤーは、コロナ禍以降の感染防止のため、使用が出来なくなっています。

これは、墨田区役所だけではなく、日本全国の公的施設・商業施設で見られる現象です。

その原因となったのは、2020年(令和2年)5月に経団連が採択した「新型コロナウイルス感染防止対策ガイドライン」にハンドドライヤー使用中止が盛り込まれていたことです。

ハンドドライヤー使用による感染拡大の科学的根拠を求めた経団連は、北海道大学感染症専門教授チームに研究を依頼しましたが、その研究結果は、一般的な方法でハンドドライヤーを使用する場合の感染確率は0.01%に過ぎないというものでした。

また、欧米を始めとする主要国のうち、ハンドドライヤー使用を自粛した国は、日本以外に存在しません。

これらを受けて、経団連は2021年(令和3年)4月に同ガイドラインを改正し、ハンドドライヤーの使用は問題ないと公表しました。

ところで、2021年(令和3年)12月、私は議員健康診断を指定された検診機関で受診しました。

その検診機関のトイレでは、通常通りハンドドライヤーの使用が出来ました。

科学的根拠に基づいた対応だと感じた次第です。

 

そこで、質問致します。

1.科学的根拠が乏しいことが明らかになっている以上、区役所を利用する区民の利便性を高めるため、トイレのハンドドライヤーの使用を再開したらどうかと考えます。

区役所による対応変更の効果は、一般商業施設等民間にも波及して影響を与えるのではないでしょうか。

区長のご所見を伺います。

 

次に、女性トイレには、汚物入れが常備されていることと思います。

しかし、区施設に限らず、多くの公共施設・商業施設の男性トイレには汚物入れがありません。

男性には、前立腺がん・膀胱がんの患者や加齢により排尿制御が困難になった人が多くいらっしゃいます。

また、何らかの疾病により、座薬を常用されている人もいらっしゃいます。

そういう人は尿漏れパッドや紙おむつを使用されていることと思いますが、その捨て場所に困っているという声をお聞きしています。

ポケットやカバンに入れて持ち帰る人も多いようです。

最近、区役所1階の男性トイレ個室に、使用済紙おむつが廃棄されているのを見たという話もお聞きしました。

因みに、日本における尿漏れパッドの年間生産量は約67億枚にも上り、今後年1億~2億枚ずつ程度増加していく見込みだそうです。

高齢化社会を迎え、尿漏れパッドや紙おむつの使用は避けることが出来ない問題だと考えています。

 

そこで、質問致します。

2.今後、なるべく早く、区施設の男性トイレに紙おむつ等の廃棄に対応した汚物入れを設置することが望まれます。

また、現状の女性トイレの汚物入れも、紙おむつ等廃棄用としては大きさ・防臭・衛生管理の面から不十分です。

そこで、提案です。

区施設の全てのトイレに一斉に紙おむつ等廃棄対応の汚物入れを設置することは困難でしょう。

まずは、現状を把握するため、区施設のトイレを使用される方の紙おむつ等の廃棄の需要に関する実態調査をしてはいかがでしょうか。

その上で、区民の意見を求めるため、区役所1階の男性トイレ・女性トイレに試験的に紙おむつ等廃棄対応の汚物入れを設置してみてはいかがでしょうか。

区長のご所見を伺います。

 

以上で、私の一般質問を終わります。

ご静聴、誠にありがとうございました。

 

(区長答弁)

1.精神障害者の鉄道運賃補助について

まず、区内鉄道事業者への要望書提出についてです。 

現在、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は、区内循環バス、都営交通は無料、民営バスは 5 割引きで利用することができます。

鉄道運賃割引については、都全体での広域的な観点から取組むべきものと認識しており、他の障害者と同等の運賃割引を精神障害者にも求める要望書の提出は、国や都の動向も注視しつつ、区長会等で検討していきます。

次に、精神障害者への鉄道運賃補助施策についてですが、現在、本区では、障害者通所事業所等通所者交通費助成事業を通して、区内の作業所に通所するための交通費を全額補助しています。

また、移動支援等の個別に必要なサービスも提供しているところです。

ご提案のような精神障害者の方の社会復帰や自立に向けた支援については、障害福祉

策を検討する中で、他自治体の事例も調査しながら、課題を整理していきます。

 

3. 区施設におけるトイレの諸問題について

まず、区役所庁舎におけるトイレのハンドドライヤーの使用再開に係る私の見解についてです。

トイレに設置しているハンドドライヤーの取扱いについては、経団連ガイドラインでは、昨年、使用再開の方針に変更されましたが、不特定多数が利用する施設等に対する国や都のガイドラインでは、現在でも使用中止が求められています。

また、科学的根拠については諸説あり、区民の意見も様々であることから、私としては、来庁者の安心・安全の確保を優先したいと考えていますが、今後、再開できる状況と判断した時は、ご指摘の趣旨も踏まえ、速やかに対応します。

次に、区施設のトイレに係る紙おむつ等の廃棄の需要に関する実態調査の実施についてです。

病気や高齢など、様々な理由から、紙おむつ等が必要な方に気軽に区の施設をご利用いただくためには、トイレの環境を整備することが重要であると認識しています。

そうしたことから、区施設のトイレへのサニタリーボックスの必要性について、まずは実態調査を行っていきます。

次に、区役所1階トイレへのサニタリーボックスの試験的な設置についてです。

ご提案の紙おむつ等に対応できるサニタリーボックスを設置することについては、実態調査を踏まえた上で、比較的スペースに余裕のある、庁舎1階のだれでもトイレに、試験的な導入を検討します。

 

(教育長答弁)

2.小・中学校図書室における新聞活用について

まず、令和3年度と令和4年度の新聞種類別の設置状況ですが、学校図書館のほか、玄関や教室等に設置しています。

小学校では、令和3年度に 11 校、延べ4種類の小学生新聞を設置しています。なお、一般紙の設置校はありません。

令和4年度も同じ状況です。

中学校では、令和3年度に全国紙の一般紙を4校、延べ3種類設置しています。

なお、中高生新聞の設置校はありません。

令和4年度も、同じ状況ですが、うち1校では、今後、複数紙を設置します。

次に、複数の一般紙を設置する場合の、教育委員会の基本的な考えですが、幅広く選択し、均衡を図るなど、児童・生徒の実態や発達段階に応じた、適切な設置が重要であると考えています。

次に、読解力向上のための、新聞を活用した小・中学校での取組についてです。

読解力の向上は、学力向上を図る上でも、すべての教科に共通する、非常に重要なことだと考えています。

墨田区教育施策大綱」においても、読解力の向上に資する取組を推進することにしています。

今後、授業や朝学習等で、全区立小学校5年生、6年生及び中学校2年生を対象に、時事問題を取り上げた新聞記事を読みとる教材を活用する方針で、読解力の向上に取り組んでいきます。

(2022年6月13日)

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