かんだすなおと私

<すみだの良心> 墨田区議 かんだすなお

令和2年度定例会6月議会一般質問

墨田区議会自由民主党・令和の「かんだすなお」でございます。

今年4月の統一会派結成後、初めての一般質問になります。

どうぞ宜しくお願いします。

本日は、大綱二点について質問を致します。

区長におかれましては、明確なご答弁をお願い申し上げます。

 

質問に入る前に、一言申し上げます。

新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に衷心よりお悔やみ申し上げるとともに、今なお病気と闘っていらっしゃる患者の皆さまに心からお見舞い申し上げます。

また、自らの危険を顧みず、文字通り身命を賭して最前線でお仕事をされている医療従事者の皆さまを始め、日夜奮闘されている様々な分野の方々に尊敬の念を抱くと同時に、深く感謝申し上げます。

 

それでは、通告通り、一般質問に入らせていただきます。

まず、第一番目の質問は、分かりやすい行政用語に関してです。

行政用語の問題点として、役所特有の言い回しやカタカナ言葉の多用が考えられます。

本日は、カタカナ言葉に限定して話を進めて参ります。

ある区民の方から、「区報はカタカナ言葉が多くて、高齢者には分かりにくい。もっと分かりやすくして欲しい」とお叱りを受けたことがございます。

そのことは、私が常々感じていることでもありました。

ところで、墨田区が持つ情報は、墨田区民のためのものです。

積極的に区民に情報を提供し、情報を共有することが、街づくりを進めるための前提になると思います。

その情報を説明する文章や言葉が分かりにくく、区民に伝わらなければ何の意味もありません。

区民が街づくりに参加する機会を保障し、「住んで良かった」と実感できる街を、区民とともに考え、共につくりあげていかなければなりません。

そのためには、区役所は分かりやすい言葉を使って情報提供することが肝要だと思います。

一例を挙げますと、最近の区報で「デリバリー」という言葉が使われています。

これは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた飲食店救済策として、出前可能な店舗を紹介する事業に関する記事の中に出て来ます。

「デリバリー」という言葉は、高齢者にとっては馴染みが薄く、分かりにくいものだと思います。

仮に「デリバリー」という言葉を使用するにしても、括弧書きで「(出前)」、「(宅配)」、あるいは「(配達)」などと補足する方が望ましいのではないでしょうか。

この事業に関しては、区報紙面には出ていませんが、「テイクアウト」という言葉も使われています。

この言葉が、「持ち帰り」を意味すると分からない高齢者は多いと思われます。

墨田区に限らず、現代の日本社会には、英語を中心とした外来語のカタカナ言葉が洪水のように溢れ返っています。

適切な日本語訳がなく、仕方なくカタカナ言葉を使用している場合もあるでしょう。

しかし、私には、あまりにも安易にカタカナ言葉を使い過ぎているように感じられてなりません。

一橋大学教授だった野口悠紀雄氏が書いた「バブルで膨らんだ地価」という論文が元になり、「バブル経済」という言葉が生まれました。

「泡」「あぶく」「うたかた」「泡沫」等、日本語にも同じ意味の言葉は沢山存在します。

「バブル」という英語をわざわざ用いなければならない理由はありません。

一方、1965年、朝永振一郎博士は、「くりこみ理論」でノーベル物理学賞を受賞しました。

漢語を含む難し気な外来語を用いることなく、敢えて「くりこみ」という優しい響きの簡易な大和言葉を用いたところに、朝永博士の偉大さがあると感じております。

さて、新型コロナウイルス感染症に関しても、「パンデミック」「クラスター」「オーバーシュート」「ロックダウン」「ソーシャルディスタンス」「ステイホーム」などというカタカナ言葉が世に広まりました。

本来、「オーバーシュート」は、よく知られた金融用語であり、統計学でも用いられます。

私は当初、「オーバーシュート」という術語は医学用語としても使われるのだと勝手に思い込んでいましたが、医学界では「爆発的な感染者急増」という意味で「オーバーシュート」が使用されることはないということです。

何らかの政策的考慮の下、「オーバーシュート」という術語を選択的に使用したものだと思われます。

一連のカタカナ言葉濫用に関し、河野太郎防衛大臣は、「日本語で言えることを、わざわざカタカナで言う必要があるのか。分かりにくいという声が出ている」と発言しています。

その他にも、墨田区では、「インバウンド」「レガシー」「トリアージ」「ストックヤード」「ハザードマップ」「スクールロイヤー」「パブリックコメント」「ロードマップ」「マスタープラン」等々、非常に多くのカタカナ言葉が使用されています。

果たして、何割の区民の方が正しく意味を理解しているのか、甚だ疑問であります。

そこで、お聞きします。

1.墨田区は、行政用語にカタカナ言葉が氾濫している現状について、どのように認識していますか?

2.今後、区民に対し、より分かりやすい情報発信をするために、どのような方針で臨まれますか?

以上、2点につき、答弁をお願い致します。

 

次に、第二番目の質問は、「香害」に関してです。

「香害」と言っても「公の害」の「公害」ではなく、「香りの害」の「香害」のことになります。

現在、人工的な強い香りを発する、芳香剤・消臭スプレー・制汗剤・柔軟剤等に含まれる化学物質が原因となって、健康被害を訴える方が多くいらっしゃいます。

そんな方が医療機関を受診しますと、「化学物質過敏症」と診断されることになります。

化学物質過敏症の症状は多岐にわたり、粘膜刺激症状・循環器症状・消化器症状・自律神経障害・精神症状・中枢神経障害・運動障害・四肢末端知覚障害・意識障害などがあります。

それらが、総称して「香りの害」、すなわち「香害」と呼ばれるものです。

2009年10月1日、厚生労働省化学物質過敏症を疾病と認め、病名を国際疾病分類の中毒の項に分類し登録しました。

それによって、現在では、健康保険が適用される疾病となっています。

一説によると、日本では10人に1人が何らかの化学物質に対する過敏症状があると言われています。

今まで大丈夫だった人も突然症状が出ることもあり、「香害」による被害は、いつでも誰にでも起こり得るものです。

「香害」を更に広義に考えると、所謂「シックハウス症候群」の問題もございます。

墨田区において、2003年4月、区立八広小学校の増築した校舎内で、トルエンの濃度が国の基準値を大幅に超えて検出されていたにも関わらず、校舎を使用していたということがありました。

この間、児童数名が体調不良を訴え、問題が発覚しました。

社会的弱者である児童の健康問題を考えれば、絶対にあってはならないことです。

児童・保護者を始め、区民の皆さまに不安を与えたことは、これからも教訓として活かしていかなければなりません。

さて、スーパーマーケットやドラッグストア等の小売店の店頭には、いい香りがすることを宣伝文句にして、数多くの商品が陳列され、販売されています。

このような状況を背景として、商品に含まれる香りによって頭痛や喉の痛みなどを訴える相談が国民生活センターに数多く寄せられ、増加の一途を辿っているという実態があります。

一度に大量の化学物質に晒される場合だけでなく、低濃度の化学物質に繰り返し晒されても、化学物質過敏症を発症することがあり得ます。

近所で干されている洗濯物から発せられる香りによって、頭痛・喉の痛み・目まい・吐き気・目の霞みなどの症状が出て、日常生活の中で支障を来してしまうこともあります。

化学物質過敏症を発症すると、たとえ本人が化学物質を含まないものだけを用いて日常生活を送っていたとしても、ひとたび外出すればその安全な環境はなくなり、例えば隣の人の洋服から発せられる柔軟仕上剤の香りによって症状が出てしまうということもある訳です。

化学物質過敏症の症状のために、仕事に行けなくなる、学校に行けなくなるというように、本来の自分の生活基盤自体が崩れてしまう深刻な状況になってしまうことも考えられます。

一方、合成洗剤・柔軟仕上剤等に含まれる香料は、十から数百種類もの物質を混合し作られているので、中には神経毒性・発がん促進作用を有するものもあるやに聞いております。

ところが、日本で販売されている合成洗剤・柔軟仕上剤等の香料の物質名は、企業秘密として表示が義務付けられていません。

従って、商品には、ただ「香料」とだけ表示されており、消費者が商品を選択する際に、必要な情報を十分に得ることが出来ていないというのが現状です。

そんな中、市民団体が国に対し、香料成分の商品への表示・規制を求める運動を行っています。

また、地方議会からの意見書提出も、小金井市議会・多摩市議会・町田市議会・清瀬市議会等で行われています。

しかし、残念ながら、国はまだまだ及び腰であるという印象です。

日用品から発生する香りは、人によっては心地よいと感じる反面、不快に感じる方も多いのです。

「香害」を減らすためには、香りの原因となる日用品の使用者に対し、香りによる影響を受ける方がいらっしゃることを理解していただくことが重要であると認識しております。

そこで、まずは、多くの区民に化学物質による健康被害が存在することについて周知・啓発をし、消費行動を考えていただく機会をつくることが大切であろうかと思います。

そこで、お聞きします。

1.「香害」の現状について、墨田区はどのような認識を持っていますか?

2.「香害」に関して、区役所への相談事例があれば、教えて下さい。

3.墨田区として、過去に「香害」問題に関して、何らかの取り組みを行ったことはありますか?

4.世田谷区や練馬区は、「香害」について公共施設等へのポスター掲示や広報を通じて啓発活動を行っています。

  私は、墨田区でも同様な施策を行った方がいいと考えています。

  墨田区の考えを教えて下さい。

以上、4点につき、答弁をお願い致します。

 

以上で、私の一般質問を終わります。

ご清聴、誠にありがとうございました。

 

(区長答弁)

1.行政用語のカタカナ言語多用について

まず、行政用語にカタカナ言葉が氾濫している現状を、どのように認識しているかについてです。

国際化が進展し、情報技術が高度に発達した現代社会においては、外来語を標記するためのカタカナ言葉が日々増加しています。

最近では、新型コロナウイルス感染症に関する報道等で、初めて耳にする言葉も増えていることから、情報発信者として、丁寧な情報伝達の工夫が必要であると認識しています。

次に、区民に対し、よりわかりやすい情報発信をするための方針についてです。

区政情報をわかりやすく、正確に伝えるためには、様々な受け手を想定した発信が重要です。

一般的でないカタカナ言葉は、可能な限り適切な日本語に言い換え、それが難しい場合には、説明を付け加えるなどの工夫をすること、新しく造られたカタカナ言葉は、定着するまで安易に使わないことなどの方針で情報発信を行っていますが、今後とも、誰にでもわかりやすい正確な情報発信を心がけていきます。

 

2.「香害」について

「香りの害」や化学物質による影響を受ける方がいることは認識しており、区として区民の健康被害を防ぐということは重要であると考えています。

2003 年に八広小学校でご指摘のような事例がありましたが、その後は取り組み方針が設けられ、対策にも力を入れていることから、現在まで、大きな事象は発生していません。

これまで区には、「化学物質過敏症」や日用品の香料による健康被害の相談事例はないことから、「香りの害」の問題への取組は行っていません。

香り付き商品が増加する一方で、製造メーカーによっては、人工香料の成分である化学物質が表示されないため、対策については、研究が必要と考えます。

今後は、個別の健康被害等の相談に消費者センターと連携して対応するほか、他区の事例等も参考にしながら、人工的な香りによる「香りの害」に関する情報も含め、必要に応じ、啓発に努めます。

(2020年6月15日) 

 


令和2年定例会6月議会 一般質問 2020/6/12