かんだすなおと私

かんだすなお

令和3年度定例会11月議会一般質問

自由民主党の「かんだすなお」でございます。

本11月議会においては、大綱2点について質問を致します。

区長・教育長におかれましては、明確なご答弁をお願い申し上げます。

 

質問に入る前に、日本国民として一言申し上げます。

敬宮愛子内親王殿下におかれましては、明日12月1日に成年を迎えられることを寿ぎ、謹んでお慶び申し上げます。

私は、長きに亘り築き上げられた日本国の悠久の歴史に改めて思いを馳せ、戦争のない平和な時代が続き、国民の暮らしが更に豊かで幸せなものとなるよう決意を新たにするものです。

ここに、万感を込めて皇室の弥栄を祈念し、慶祝の意を表する次第であります。

 

それでは、通告通り質問に入ります。

まず、第1番目の質問は、東京五輪ボクシング競技のレガシー(遺産)活用についてです。

2021年(令和3年)7月24日から8月8日まで16日間、東京五輪ボクシング競技が墨田区両国国技館で開催されました。

日本代表選手の戦果として、女子フェザー級の入江聖奈選手が金メダル、女子フライ級の並木月海選手が銅メダル、男子フライ級の田中亮明選手が銅メダル、一大会史上最多の3個のメダル獲得という大成果となりました。

特に、自衛隊体育学校ボクシング班の並木月海3等陸曹の活躍は、国防に尽力されている全自衛官の士気を鼓舞したことと思います。

新型コロナウイルス感染症の蔓延という未曾有の国難の中で、ボクシング競技の力で日本中の人々に感動を与え、その心を結束させ、国難を乗り越えて行く国民の原動力となった素晴らしい大会だったと総括しています。

墨田区で唯一の五輪競技としてボクシング競技が開催されたという遺産を受け、日本のボクシング競技にとって国内最高峰の大会である全日本選手権大会が、今年11月24日から11月28日にかけて墨田区総合体育館で開催されました。

残念ながら無観客での開催でしたが、一昨年12月の全日本大学ボクシング王座決定戦に続き、ボクシングの聖地・墨田区の面目躍如となる大会だったと思います。

今後も、東京五輪ボクシング競技を墨田区の遺産として活用していただくことを強く希望します。

 

そこで、質問致します。

1.東京五輪ボクシング競技を墨田区の遺産として活用するにあたり、改めて区長の総論的な決意と方針をお聞かせ下さい。

宜しくお願い致します。

 

2.かつて、日本のボクシング競技の聖地と言えば、JR水道橋駅近くにある後楽園ホールのことでした。

しかし、東京五輪ボクシング競技を契機として、今や新しい聖地として墨田区が注目されています。

今後、全日本選手権大会や全日本大学ボクシング王座決定戦等の大きな大会は全て墨田区で開催するというくらいの意気込みで、是非招致活動に臨んでいただきたいと思います。

区長の御所見を伺います。

 

3.ボクシング競技は対戦相手を拳による打撃で攻撃する競技ですので、必然的に目尻を切ったりする創傷や鼻骨の骨折等の身体外部の損傷を伴います。

しかし、身体外部の損傷は適切な治療と時の経過により治癒しますが、本当に怖いのは脳の損傷です。

そこで、危険を回避するため、相手を直接打撃しないで寸前で止める、マスボクシングが子供を中心に競技として行われるようになりました。

伝統空手の寸止めによる組手試合のようなものです。

危険が少ないので、小・中学生の体力向上や健全な精神の育成の場としても適していると思います。

ボクシング競技の聖地・墨田区として、マスボクシングの普及・啓発につき、関係諸団体と協力しながら今後何らかの支援・後援を行うお考えはありますか。

区長の御所見を伺います。

 

次に、第2番目の質問は、児童・生徒のデジタル機器使用に関する諸問題についてです。

文部科学省は、2020年度(令和2年度)から始まった10年振りの学習指導要領改訂を受け、「GIGAスクール構想」を推進することになりました。

GIGAスクール構想」とは、ICT(情報通信技術)の社会への浸透に伴い、小・中学校等の教育現場において児童・生徒各自がパソコンやタブレットといったデジタル機器を活用出来るようにする取組みのことです。

GIGAスクール構想」の対象は「ハード」環境の整備だけに留まらず、デジタル教科書や児童・生徒が個別に苦手分野を集中学習できるAI(人工知能)ドリルといった「ソフト」と、地域指導者養成やICT支援員などの外部人材を活用した「指導体制」の強化をも含めた3本柱で改革を推進する予定と聞いております。

さて、文部科学省が行った2020年度(令和2年度)の学校保健統計調査によると、眼鏡・コンタクトレンズ等を使用しない裸眼視力が1.0未満の小学生の割合が37.52%、中学生が58.29%に上り、右肩上がりに増えているそうです。

新型コロナウイルスの影響で外出の機会が減り、デジタル機器を使いネット検索やゲームなどをすることが増えたため、近視が増えている可能性が専門家から指摘されています。

現在、文部科学省は視力低下の原因について詳しく調査を進めていますが、「GIGAスクール構想」の下でのデジタル機器使用による学習も影響しているのではないかと懸念しています。

ところで、近視を引き起こす原因としては、遺伝的な要因と環境的な要因が挙げられると思います。

私がかつてケニアを旅行した際、マサイマラ国立保護区で現地案内人にシマウマの群れがこちらに向かって近付いて来ていることを教えられました。

しかし、私が双眼鏡を使っていくら目を凝らして眺めても、ただ雄大な地平線が見えるだけで、シマウマの影も形も見えませんでした。

怪訝に思っていたところ、程なく本当にシマウマの群れがやって来た時はとても驚きました。

その現地案内人が特異な視力の持主という訳では決してなく、現地ではごく一般的な視力の持主ということでした。

その一方、大都会の首都ナイロビでは、街中を闊歩する眼鏡を掛けた人を結構見掛けました。

環境が視力に影響することの証左でありましょう。

よって、子供達の健康な視力を維持させるためには、適切な生活指導による環境整備が重要だと考えています。

また、東京医科歯科大学眼科の五十嵐多恵助教の研究によると、「コロナ禍で都市封鎖をした中国では、子供たちの近視が一気に進んだことが調査結果から明らかになっている」ということです。

特に幼稚園の年長から小学校低学年の子供たちが環境変化の影響を強く受けて、近視が進んでいたそうです。

一般に、背が伸びる成長期に近視が進みやすいと言われています。

「一度伸びた眼軸の長さは戻らないので、10歳以下で近視になってしまうと、将来強い近視になる可能性が高くなる」と五十嵐助教は指摘しています。

「近視は、メガネやコンタクトレンズをすればハッキリ見えるようになる」として、これまで大きな問題とは認識されて来ませんでした。

ところが、近視の人は、将来緑内障網膜剥離といった重い目の病気に罹る確率が、近視がない人と比較して高いことが分かって来ました。

生涯に亘り良好な視力を維持するためには、小児期に近視の発症と進行を予防することが、いかに重要かが分かります。

他方、睡眠直前までデジタル画面を見続けることは、眠りを誘うホルモン(メラトニン)の低下により睡眠障害になりやすいとも言われています。

更に、スマートフォンに代表されるデジタル機器への依存症に関する警鐘が専門家によって鳴らされています。

加えて、「GIGAスクール構想」以前には存在し得なかった、学習用タブレットを媒介とした新しい形の虐めの問題が、報道機関によって大きく取り上げられています。

 

そこで、質問致します。

1.「GIGAスクール構想」の下で、日常的にタブレットを使用することになった児童・生徒の視力低下を防ぐため、小・中学校においてどのような生活指導を行っていますか。

また、今後どのような生活指導を行う予定ですか。

教えて下さい。

 

2.iPadの生みの親であるスティーブ・ジョブズは、自分の子供をデジタル端末への依存症から守るため、デジタル端末の使用時間を厳しく制限していたことで知られています。

また、スマートフォンへの依存症の危険性をよく知るビル・ゲイツは、自分の子供が14歳になるまでスマートフォンを買い与えませんでした。

あくまでも依存症防止目的であり、ゲイツ家の経済的な理由からでないことは言うまでもありません。

一方、ここ十年来電車内などでスマートフォンに没頭する人をよく見掛けます。

正に「スマホ依存症」とも言うべき状態です。

デジタル機器は大変便利な道具ですが、使い方を誤ると心身を蝕む非常に危険な道具であるとも言えます。

そこで、児童・生徒をデジタル機器への依存症から守る観点で、小・中学校ではどのような生活指導を行っていますか。

また、今後どのような生活指導を行う予定ですか。

教えて下さい。

 

3.東京都下の小学校に通っていた6年生の女子児童が同級生から虐めを受けて自殺するという痛ましい出来事から、早くも1年が経過しました。

両親によると、小学校から配布されたタブレットのチャット機能を使い、女子児童に対し「うざい」「きもい」などの悪口の書き込みがあったということです。

文部科学省の聴き取り調査によって、その小学校によるパスワード管理が不適切だったことが明るみに出ました。

全員同一のパスワードを使用していたため、同級生になりすましてログインして悪口を書き込んだり、他の児童が悪口を閲覧したりすることが可能な状態だったそうです。

この不幸な出来事を教訓にして、墨田区では絶対に同様のことを繰り返してはならないと強く思う次第です。

そこで、児童・生徒にデジタル機器の不適切な使用をさせないように、小・中学校ではどのような対策・指導を行っていますか。

また、今後どのような対策・指導を行う予定ですか。

パスワード管理の実態を含めて教えて下さい。

加えて、一般の虐め問題についても、表面化せず水面下に潜行している場合が多く、教育委員会として把握し難い面もあるかと思います。

しかし、虐められて苦しんでいる児童・生徒の立場に立てば、何としても一刻も早く救いの手を差し伸べていただきたいところです。

ひいては、不登校の児童・生徒をなくし、ひきこもりを未然に防ぐことにも繋がるかと思います。

改めて、教育委員会の虐め撲滅への決意をお聞かせ下さい。

 

以上で、私の一般質問を終わります。

ご静聴、誠にありがとうございました。

 

(区長答弁)

東京オリンピックにおけるボクシング競技のレガシー(遺産)の活用について
(1)活用方針について
まず、私の決意と活用方針についてです。
ボクシングについては、これまでも日本ボクシング連盟と連携を図りながら、「すみだは国技館でボクシング」のキャッチフレーズのもと、大会に向けた気運醸成のほか、競技存続に向けた署名活動や、実施決定に伴う決起大会などを行ってきており、その結果、無事開催されたと考えています。

これをレガシーとして捉え、今後も日本ボクシング連盟との連携をさらに深め、ボクシングの普及啓発や区民の健康増進に関する取組を推進していきます。
また、活用については、令和元年12月に「東京2020大会を契機としたボクシングを通じた取組みの連携協力に関する協定」を締結し、お互いの資源を活用しながら、連携協力を図っていくこととしており、来月には区内の小学校で、大会出場選手による講演会も予定されています。
(2)主要なボクシング大会の招致活動について
ご承知のとおり、先日、東京オリンピックの公式練習会場となった総合体育館において、全日本ボクシング選手権大会が開催され、オリンピックのメダリストが出場するなど全国的な注目を集めました。残念ながら無観客となりましたが、今大会から墨田区長賞を創設させていただき、閉会式で選手に授与しました。これまでも連盟会長は、「本大会を毎年墨田区で開催したい」と述べられていることから、来年も実施が予定されているほか、全日本大学ボクシング王座決定戦をはじめとして、その他の大会の開催についても調整しているところです。
(3)マスボクシングの普及支援について
マスボクシングは直接打ち合わないことから、連盟がその安全性に着目し、「競技の普
及・振興」、「生涯スポーツとしての分野」を目的として正式種目化しており、今月、宮崎県で第1回全日本マスボクシング大会が開催されました。大会には、子どもから高齢者まで様々な年代の方々が全国から参加されています。

本区でも、令和元年8月に、総合体育館で第1回ゴールデンキッズ・マスボクシング大会が区後援事業として開催されました。
今後も連盟の協力を得ながら、マスボクシングを通じた競技の普及啓発に取組んでいくとともに、引き続き大会の後援なども行っていきたいと考えています。


(教育長答弁)
2 児童・生徒のデジタル機器使用に関する諸問題について
まず、デジタル機器使用による、視力低下の防止策ですが、本区の区立小・中学校のう
ち、裸眼視力が 1.0 未満の者の比率は、小学生は、令和元年度が 38.23%でしたが、2年度は 43.50%に、中学生は、令和元年度が 59.0%でしたが、2年度は 59.32%となり、増加傾向にあります。

そこで、児童・生徒の視力低下を防止するため、現在、文部科学省や東京都医師会が作成したガイドラインを参考に、タブレットの使用時間や休憩のタイミング、画面と眼の適正距離、教室内の明るさ、使用時の姿勢等について、授業や学校保健活動の中で、
指導をしています。
今後も、タブレット端末を活用した学習展開をしていく上で、子どもたちの眼の健康には、一層配慮していく必要があると考えていますので、国や関係機関の情報に留意し、適切に対応していきます。
次に、児童・生徒をデジタル機器の依存症から守る生活指導についてです。
インターネットやネットゲームをきっかけとしたデジタル機器の依存は、日々の生活に悪影響を与え、健康を害するおそれがあります。児童・生徒には、デジタル機器の適切な使用と、無秩序な使用が健康に悪影響を与えること等を理解させる教育を繰り返し行い、指導していきます。
また、教員の指導の下、子どもたちの話し合いで決める「SNS学校ルール」や、保護者と子どもで決める「家庭ルール」の中で、使用時間を決めるなどのルールを、話し合いを通して自主的に決めて、守る態度を育成し、児童・生徒の規範意識が高まるよう指導していきます。

今後も引き続き、デジタル機器への依存を防止するため、取組の充実を図ります。
次に、デジタル機器の不適切な使用防止に向けた指導についてです。
デジタル機器を使用する教育では、情報活用能力の育成とともに、情報モラル教育が大
変重要です。現在、学校では、デジタル機器の使用上の留意点や、各自のルールの作り方などをまとめた冊子である「SNS東京ノート」を活用し、機器の適切な使用方法などについて、児童・生徒が自ら考える学習を行うほか、「セーフティ教室」や「ケイタイ・スマホ安全教室」等で、外部講師による、非行防止や犯罪被害防止の指導を行うなど、情報モラル教育を推進しています。

児童・生徒が、安全に、安心して、適切にデジタル機器を活用できるよう、今後も指導を継続していきます。
また、パスワード管理の実態ですが、本区では、授業支援アプリや学習支援アプリに、パスワードを設定し、個人情報が漏れないようにしています。児童・生徒のタブレット端末本体には、個人情報を入れないこととし、教員・保護者が、利用履歴等を確認できるよう、現在はパスワードを設定していません。

教員・保護者が、利用状況を把握し、不適切な使用の早期発見に努め、児童・生徒のタブレット端末の適切な活用を図っています。

今後は、段階的に、端末本体のパスワードを自分で設定し、管理できるようにしていきます。
次に、「いじめ撲滅への決意」についてです。
いじめは、いじめに関わる全ての子どもの人格形成に影響を与え、人間関係を損なうだ
けでなく、かけがえのない生命を奪うこともある問題であり、決して許されないものです。いじめは、どの学校の、どの子どもにも起こり得るという認識の下で、教職員が組織的かつ迅速に、いじめを未然防止し、早期発見、早期対応をするとともに、道徳をはじめ、すべての学校の教育活動を通して指導を徹底して、いじめ撲滅に取り組んでいきます。

(2021年11月30日) 

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